吉田労務通信vol.48

雇用についての審議事項が少なかった通常国会も閉幕し、また、参議院選挙も予想通り与党が議席の過半数を得たことで秋の臨時国会において、雇用に関するどのような法案が審議されるのか興味があります。
中でも、同一労働同一賃金に関して、昨年公表されたガイドライン以外の判断基準等が示されるのか、他には、最低賃金の引き上げ額、定年延長、労働法の時効の扱い等は注視しています。
今月は、6 月 26 日に公表された「平成 30 年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を取り上げます。

「平成 30 年度個別労働紛争解決制度の施行状況」

平成 30 年度は、総合労働相談件数、助言・指導申出の件数、あっせん申請の件数いずれも前年度より増加しました。

総合労働相談件数 111 万 7,983 件(前年度比 1.2%増)
うち民事上の個別労働紛争相談件数 26 万 6,535 件( 同 5.3%増)
助言・指導申出件数 9,835 件( 同 7.1%増)
あっせん申請件数 5,201 件( 同 2.6%増)

全てで「いじめ・嫌がらせ」が過去最高の件数となりました。

民事上の個別労働紛争の相談件数 82,797 件(前年度比 14.9%増)
助言・指導の申出の件数 2,599 件( 同 15.6%増)
あっせんの申請の件数 1,808 件( 同 18.2%増)

参考:平成 30 年労働関係民事通常訴訟事件の新受件数 3,496 件(前年比 31 件減)
平成 30 年労働審判事件の新受件数 3,630 件(前年比 261 件増)

各紛争解決制度での特徴として、
助言・指導では、
1か月以内に処理終了となった割合は、処理終了件数 9,760 件のうち 96.4%と高い。
解雇、雇止め、退職勧奨という内容は、減少傾向にある一方、いじめ・嫌がらせ、その他の労働条件という内容は、増加傾向にある。
「平成 30 年度個別労働紛争解決制度の施行状況」
あっせんでは、
紛争当事者双方のあっせん参加率は 55%前後で推移し、あまり変化はない。
また、あっせんにおける合意率も 38%前後で推移し、あまり変化はない。
解雇、雇止め、退職勧奨という内容は、減少傾向にある一方、いじめ・嫌がらせ、その他の労働条件という内容は、増加傾向にある。

今回の報告書で取り上げられた助言・指導、あっせんの事例は、行政が注視している事例ですので、一度、ご確認いただければと思います。

最後に

最近の人材の確保という面からは、募集要項の工夫、就職希望者に対する自社の特徴等の発信が見られます。
また、人員の定着に重点を置いた施策を発信する企業も見られます。
これからは、企業が必要な能力等を有した人材を確保する上で、いかに多くの就職希望者から選ばれるかが、さらに重要になります。
今の学生等が希望する労働条件とはどのようなものか、採用後、定着を図る上で必要な施策は何なのか ということを把握した上で対応していくことが必要です。
ご相談等ございましたら、遠慮なく、弊社コンサルタントにお申しつけください。
以上

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