吉田労務通信vol.41

今通常国会も 7 月 22 日まで 32 日間会期を延長し、各種法案審議がなされる中、雇用に
関する重要法案「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が、3 年かけ
て成立いたしました。このことで、関係する法律 7 法が改正になります。
来年 4 月以後、順次、法改正に伴う対応が必要になります。
今月は、6 月 27 日に厚生労働省から発表された「平成 29 年度個別労働紛争解決制度の
施行状況」を取り上げます。

「平成 29 年度個別労働紛争解決制度の施行状況 」

総合労働相談件数は、10 年連続 100 万件を超え、110 万 4758 件の高止まり。
全体の傾向は、前年度に比べ、あっせんの件数が減少し、助言・指導の件数が増加。
内容では、民事上の個別労働紛争の相談件数、助言・指導の申出件数、あっせんの
申請件数の全てで「いじめ・嫌がらせ」が引き続きトップ。

1.民事上の個別労働紛争の相談内容
相談内容別
1)いじめ・嫌がらせ 23.6% 2)自己都合退職 12.8%
3)解雇 10.9%
就労形態別
1)正社員 37.6% 2)短時間労働者 14.2% 3)有期雇用労働者 12.2%

2.労働局長による助言・指導
相談内容別
1)いじめ・嫌がらせ 22.5% 2)解雇 9.9%
3)自己都合退職 8.6%
就労形態別
1)正社員 48.7% 2)有期雇用労働者 20.3% 3)短時間労働者 19.1%

3.紛争調整委員会によるあっせん
相談内容別
1)いじめ・嫌がらせ 29.1% 2)解雇 22.5%
3)雇止め 10.4%
「平成 29 年度個別労働紛争解決制度の施行状況 29 年度個別労働紛争解決制度の施行状況」
就労形態別
1)正社員 46.7% 2)有期雇用労働者 21.6% 3)短時間労働者 17.7%
紛争当事者双方のあっせん参加率 56.9%(参加率は高め傾向)
合意率 38.3%(当事者双方が参加した場合は 65.8%)

4.労働関係民事通常訴訟事件の新受件数 3,526 件(前年 3,392 件)
ここ数年、新受件数は増加傾向にある

5.労働審判事件の新受件数 3,369 件(前年 3,414 件)
2 年連続で減少
内容を見てみると、「いじめ・嫌がらせ」が全てでトップの状況が 4 年連続続いている。
各企業において、ハラスメント教育は実施されていると思われますが、まだまだ継続的に
かつ、最新の情報を反映させた教育内容で実施していく必要があるのでは と思います。
また、労働関係民事通常訴訟事件が増加傾向にある反面、労働審判事件の件数が 2 年連続
で減少していることから、ネット閲覧による問題解決手段の選択が影響しているのかなと
思います。

最後に

今年 6 月 1 日、最高裁が同一労働同一賃金について、初の判断を下しました。
「ハマキョウレックス」の正社員と契約社員の諸手当の格差是正については、その内容から、
当然ですが、新たな手当を検討する場合には、今まで以上によく検討した上で、その
是非を慎重に判断する必要があること、新たな手当を安易に設けることでトラブルになる
可能性が、より高まります。
「長沢運輸」の定年後再雇用者の賃金減額が不当かどうかについては、基本給、一定の
手当等の格差は、退職金を受け取ったこと、近く年金が支給される等を理由に容認された。
今後、70 歳までの雇用を検討する場合の判断基準にもなります。
今回の最高裁が判断した内容を今一度確認し、皆様方の会社内で類似事案の有無を確認
することをお勧めします。
今後、行政からも様々なガイドライン等を通じ、周知啓発活動が実施されると思います。
その際に、各種手当の内容、定年再雇用者の賃金、処遇、仕事内容等を確認し、労働者へ
周知することで、無用なトラブルも防げるとともに納得度も向上します。
何か不明な点や質問等ございましたら、弊社のコンサルタントにお申し付けください。

\ 最新情報をチェック /