吉田労務通信vol.30
あいかわらず、長時間労働についての問題が、新聞等で取り上げられていますが、その
公表された企業名を見てみると業種や従業員数に関係なく、かつ、名の知れた企業が対象
になっております。
パナソニックの富山県の事業場での長時間労働について書類送検された事案では、社員が
過労自殺したこと(労災認定)、36 協定の限度時間(80 時間)を超えることが残業をさせ
ていたことで企業名の公表、会社及び労務担当者 2 名が書類送検されました。
これからは、管理職、人事労務担当者に対する継続的な人事教育が不可欠になりそうです。
さて、今回は、3 月 13 日に発表になった「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の
実施結果を取り上げます。
「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果
主に、前年と比べ、特筆すべきことを記載します。詳細を確認される方は、厚生労働省
が発表した内容でご確認ください。
1.重点監督を実施した事業場
7,014事業場(前年は5,031事業場)
*労働基準監督署が1か月に監督指導できる件数が大幅に増えました。
労基法違反のあった事業場を業種別でみると、保健衛生業を除いて、前年に
比べて減少しています。
事業場の規模別でみると、従業員数が 30 人未満の事業所が増え、30 人以上が
減少しています。
企業の規模別でみると、従業員数が 300 人以上の企業が大幅に増えています。
これは、他店舗展開している企業が多いことが予測されます。
2.指導事項
違法な時間外労働があった事業場における時間外・休日労働が最長の者の実績
が、前年は、100 時間超 150 時間以下、45 時間以下、45 時間超 80 時間以下、
80 時間超 100 時間以下、150 時間超 200 時間以下の順であったが
100 時間超 150 時間以下、80 時間超 100 時間以下、45 時間超 80 時間以下、
45 時間以下、150 時間超 200 時間以下の順となった。
人員不足に伴う長時間労働が常態化してきていると思われます。
最後に
「働き方改革会議」で検討されている年間の時間外労働の限度時間 720 時間について
労働基準法が建議され、改正される方向です。
法が施行になると、今まで告示によって運用されてきた 36 協定の限度時間の違反に
ついては、「是正指導」から「是正勧告」になります。これは、法違反となりますので
罰則が適用になります。
そのような中、長時間労働、過重労働に関する問題が多く取り上げられていますが、
その根底を見ると労働、雇用環境が変化しているにもかかわらず、企業側が、その変化に
うまく対応出来ず、問題化していると思われる事案が見受けられます。
私も、セミナーや企業内研修で受けた質問を振り返ってみると、これからの日本での
雇用のあり方にについて考えると次のような点がポイントになるのではないかと思います。
1.必要な人員、人材を継続的に獲得できるか
⇒5 年前と比べて、応募者、採用者の人数は増えていますか、減っていますか
求めるレベルの採用者でしたか
2.従業員の方が働きやすい職場環境を形成できるか
⇒5 年前と比べて、退職者は増えていますか、減っていますか
職場環境、労働条件が退職理由になっている方はいませんでしたか
⇒総労働時間は増えていますか、減っていますか
⇒休日の取得はできていますか
⇒休暇の取得は増えていますか、減っていますか
3.労働生産性は向上していますか
⇒継続的に運用、ルール等を見直し、より良い方法を検討していますか
等々
うまくいっているのであれば、今までと同じような運用等でもかまわないと思います。
しかし、明らかに悪い方向に向かいだしているのであれば、早急に原因の分析やその
対応のための施策を講じなければ事態は悪化していきます。
これからは、従業員の方々を能動的に確保する、定着させる、そして、労働生産性を
向上させていく ということが必要になります。
これらを実施する上で、不明な点や質問等ございましたら、弊社のコンサルタントに
お申し付けください。
以上

