吉田労務通信vol.29

厚生労働省は、昨年から続く過重労働、長時間労働の問題を受け、認定制度においても
趣旨に真に合致した企業のみが取得できるよう見直しを実施します。これにより、長時間労
働が恒常化している企業や是正勧告を受けて是正していない企業は認定されない、既に認定
されている企業でも、認定を辞退する制度の創設や、認定を取り消しできるようにする等、
見直しが 4 月 1 日から施行されます。
また、厚生労働省から、通達、指針とは別に発表になる雇用管理に関するガイドライン等
を最近は、良く目にします。
今回は、その中で、1 月 20 日に発表になった「労働時間の適正な把握のために使用者が
講ずべき措置に関するガイドライン」を取り上げます。

「労働時間の適正な把握のために使用者講ずべき措置

ガイドラインの趣旨は、労働基準法においては、労働時間、休日、深夜業等に規定を設け
ていることから、使用者は、労働時間を適正に把握するなど労働時間を適切に管理する責務
を有している。しかし、現状をみると、労働時間の把握に係る自己申告制の不適正な運用等
に伴い、同法に違反する過重な長時間労働や割増賃金の未払いといった問題が生じている
など、使用者が労働時間を適切に管理していない状況もみられるところである。
このため、ガイドラインで、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置を具体
的に明らかにする。
平成 13 年の指針と比べ、明確にされた、強調された事項は、次の通り。
1.適用の範囲
1)労働基準法の労働時間に係る規定が適用される全ての事業場
2)法 41 条に定める管理監督者及びみなし労働時間制が適用される者を除く全ての者
*適用されない労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者に
おいて適正な労働時間管理を行う責務があること
2.労働時間の考え方
客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働
者の行為が使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされていた等の状況の有無等
から、個別具体的に判断されるものである。
「労働時間の適正な把握のために使用者講ずべき措置 「労働時間の適正な把握のために使用者講ずべき措置」
具体的には、
1)使用者の指示により、就業を命じられた業務に必要な準備行為、業務終了後の
後始末等の時間(ユニフォームへの着替え等)
2)使用者の指示があった場合にすぐに業務に就ける状態での待機時間(手待ち時間)
3)参加することが業務付けられて研修等、使用者の指示による業務に必要な学習等
を行っていた時間
3.自己申告制による確認及び記録を行う場合の措置
1)自己申告された時間と実態とで著しい乖離が生じているときには実態調査を実施し
所要の労働時間の補正を行う
2)自己申告された時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に
報告させる場合は、報告が適正に行われているか確認する
*実態として、使用者の指揮命令下にあると認められる時間は労働時間
3)適正な申告阻害する措置の例示
・時間外労働の上限設定(上限時間を超える時間外労働を認めない)
・時間外労働の定額払い(労働者の適正な申告の阻害要因になっていないか)
・36 協定の限度時間を超えているにもかかわらず、記録上、超えていないように
している

最後に

今年も過重労働、長時間労働についての調査、指導が厳しく行われると思います。
労働時間は、働きやすい職場を形成する上での重要な要因として位置づけられています。
就職情報会社によると就職活動中の学生が、応募する会社を選択する際に、残業時間が
20 時間以下が最も多いということです。
労働時間の削減、効率化をうまく行えた企業は、新規の人材確保、コンプライアンス
リスクの軽減等が図れ、安定した企業運営が実現できます。
今回のガイドラインを参考に今一度、労働時間についての点検及び今後の労働時間に
ついての施策に反映していただけたら幸いです。
不明な点や質問等ございましたら、遠慮なく、弊社のコンサルタントにお申し付けください。

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