吉田労務通信vol.26
「何でも、どこでも、いつでも」といった、正社員の仕組みが完全に崩壊し、産業構造の
転換、働く価値観の変化など、働く人も企業も多様な働き方(グローバルやダイバーシティ
への対応)を必要としている点を踏まえ、政府は、今後の日本での働き方について議論する
「働き方改革実現会議」の第 1 回目が 9 月 27 日開催されました。
ここでは、主に長時間労働の是正、時間や空間に束縛されない自由な労働スタイル、多様
な人材の積極活用などが焦点になります。ここで、様々な議論がなされ、来年の通常国会で
法改正されることになりますが、社会情勢は急激に変化しているので、スピード感をもって
進めていってもらいたいと思います。
さて、今月は、来年度の労働行政の動向(第 1 回目)を取り上げます。
平成 29 年度労働政策の重点事項(案)
具体策として、以下の重点事項に取り組む。
1.「一億総活躍社会」を支える多様な働き手の参画
2.「一億総活躍社会」の実現に向けた働き方改革の推進
3.「GDP600 兆円経済の実現」に向けた労働生産性の向上
4.地方創生の推進
5.労働者が安全で健康に働くことができる環境づくり
6.重層的なセーフティネットの構築
7.東日本大震災からの復興等のための雇用・労働対策
今月は、「一億総活躍社会」を支える多様な働き手の参画についての主なポイントを
見てみます。
1)女性の活躍推進
‐妊娠・出産、育児休業等に関するハラスンメント等職場におけるハラスメント対策
の総合的推進(来年 1 月に施行される男女雇用機会均等法、育児・介護休業法の改正
内容の周知・徹底、職場におけるハラスメント対策を総合的に推進する
2)若者の活躍促進
‐UIJターン就職による正社員就職支援の強化
3)高齢者の活躍促進
‐65 歳以降の定年延長や継続雇用制度の導入を行う企業に対する支援を実施すると
ともに民間団体等を活用して高齢者の就業の場を提供する取組を推進する
平成 29 年度労働政策の重点事項(案) 29 年度労働政策の重点事項(案) 年度労働政策の重点事項(案)
4)障害者の活躍促進
‐平成 30 年 4 月より、法定雇用率の見直しが行われるに際し、障害者及び企業への
職場定着支援を強化するため、障害者就業・生活支援センターによる地域就労支援力
を強化する
5)ひとり親に対する就業対策の強化
‐経済的に厳しい状況におかれたひとり親家庭等の自立を支援するため、子育て・生活・
就業・経済面の支援策についてとりまとめた「すくすくサポートプロジェクト」に
基づき、各種支援策の実施を図る
6)がん等の疾病による長期療養が必要な労働者や生活困窮者に対する就労支援の強化等
‐がん等の疾病による長期療養が必要な者や難病患者の就労支援の強化及び生活保護
受給者等、生活困窮者等の就労支援を推進
7)性的志向・性自認の多様性に関する理解促進
‐性的志向・性自認の多様性に関する国民の理解の増進を推進する
8)外国人材の活用促進・国際協力
‐留学生及び定住外国人に対する就職支援の更なる強化(2020 年までに留学生の国内
での就職率を 50%以上にする)、外国人技能実習制度の見直し
最後に
平成 29 年度労働政策の重点事項(案)や「働き方改革実現会議」で表明された内容を
見てみても目新しい事項が見当たりません。ただ、「働き方改革実現会議」で議論された
内容で法案が建議されるので、来年もいくつかの雇用に関する改正法案が成立するのは
確実です。
8 月に安倍首相が、「同一労働同一賃金を実現し、非正規という言葉をこの国から一掃
する」と明言をしました。「働き方改革実現会議」での表明とあわせてみると、やっと
雇用の改革に関しても本気になってきたのかなあと思います。
今後は、経営者が自社の働き方改革をどのようにデザインしていくのかが重要になります。
弊社の 6 月から始まりました5か月連続の勉強会も残すところ、10 月に開催します
「まったなし!労働時間の効率化・今後の労働行政の方向性」だけとなりました。
労働時間管理のポイントの他、長時間労働が常態化する要因、労働行政が推し進める
長時間労働の改善についての動向等を取り上げますので奮って、ご参加いただければ
幸いです。

