吉田労務通信vol.12
節電対策
東京電力・東北電力管内の東日本で、15%の節電要請がなされていたが、福島原発事故の安全性の問題により、今後の原発点検停止後の再稼働の見通しが立たなくなり、関西電力でも15%の節電のお願いを電力需要家に求めている。これにより、今までに考えられていた、コア部門の西日本への移管も再考が必要な状態になることが予想される。
節電対策と変形労働時間制
「平成 23 年夏期における節電対策のための労働基準法第 32 条の4の変形労働時間制に関する労使協定の変更及び解約について」 基発 0531 第 5 号 平成 23 年 5 月 31 日
変形労働時間制の考え方:
変形労働時間制は、業務の繁閑に計画的に対応するために、対象期間(1か月を超え1年以内の期間)を単位として適用されるものです。このため、労使の合意があっても、対象期間
の途中で、あらかじめ定められた労働日や労働時間を変更したり、労使協定を解約することはできません。
節電対策のための特例について:
平成 23 年7月から9月の間で電力の需要抑制を求められ節電を実施する事業場で、7月から9月までの期間を対象期間に含む変形労働時間制を実施している場合において、当初計画通りの変形労働時間制を実施することが著しく困難な場合については、変形労働時間制の途中での労働日や労働時間の変更や労使協定の解約も可能と解されます。
労使協定の変更締結されている労使協定で定められている将来の労働日や労働日ごとの労働時間を変更すること。
例)当初の計画では土日を休日としていたが、夏期は平日を休日にする、夏期の労働日数や
労働時間を秋以降に変更する 等
労使協定の解約
締結されている労使協定を解約し、将来に向かってその効力を失わせることです。解約まで
の期間に1週間当り 40 時間を超えて労働させていた場合には、その超えて働かせていた時
間に対して割増賃金の支払い(賃金の清算)が必要です。
節電対策:
節電対策と変形労働時間制
節電対策のための特例の対象となり得る事業場、労使協定の変更又は解約には、幾つかの要
件があり労働基準監督署長への届出が必要となりますので、都道府県労働局又は労働基準監
督署へお問い合わせ下さい。
節電対策と事務所の室内温度・照度・換気
「夏期の電力需給対策を受けた事務所の室内温度等の取扱いについて」
基発 0520 第7号 平成 23 年 5 月 20 日
事務所衛生基準規則では、空気調和設備を設けている場合、室温は 17℃以上 28℃以下になるよう努めること、相対湿度は 40%以上 70%以下とするよう努めることとされています。
事務所の室内温度電力需給緊急対策本部の対策において、節電対策としてオフィス等の室温設定を見直す場合
には、まず室温を 28℃とすることを強く推奨している。自主的な行動として室温を 29℃に引き上げることも考えられるが、その場合には、熱中症を予防するため、「職場における熱中症の予防について」基発第 0619001 号 平成 21 年6月 19 日 に基づく熱中症予防対策を事業場において講じる必要がある。事務所の照度事務所衛生基準規則で定められている照度であるが、労働者の心身の負担を軽減するため、電力抑制のためといって事務作業を行う際の照度を暗くする場合であっても、作業の区分にかかわらず作業面の照度を300ルクス以上とすることが望ましい。
事務所の換気過度の換気による電力消費及び冷房効果低下の抑制を促すため、空調機等により外気と還気の混合率を調整する場合は、室内の二酸化炭素の濃度を、事務所衛生基準規則に示す二酸化炭素の含有率に適合させる。
吉田のつぶやき
「心頭滅却すれば火もまた涼し」と精神論を唱える方もいるが、現代人にはなかなか難しく、無理をすれば熱中症となってしまい、生死に係る問題となる。何事も限度の見極めが肝心。今回の節電対策は、一過性のものではない、来年の夏にも同じことが起こるだろう。この期に、自社の勤務体制の見直しをぜひお勧めしたい。今まで当たり前のように思っていた所定労働時間や固定勤務体制が、本当に自社に合った体制なのか、見直すチャンスではないだろうか。

