吉田労務通信vol.50

今年は、新型コロナウィルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令により、今までに経験したことがない様々な手法による雇用管理をしなければならない状態が続いております。
今まで、リモートワークを検討していたが、なかなか導入できなかった。しかし、今回を機にリモートワークを導入したという企業が多々あります。
また、雇用調整助成金等の申請はしたことがなかったが、今回、初めて申請手続きを行った(こんなに煩雑なんだという実感も含め)企業も多々ありました。
このような状況を一日でも早く脱し、通常の状況に戻れることを祈念するばかりです。
今月は、6 月 1 日から改正法が施行された労働施策総合推進法(パワハラ防止法)を取り上げます(中小企業は 2022 年 4 月 1 日施行)。

1.改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)について

1)パワハラとは
職場における「パワーハラスメント」とは、次の3要素を全て満たすものとして、わかりやすく定義した。
職場において行われる
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
③労働者の就業環境が害されるもの
の具体的な内容が示された。
併せて、厚生労働省のパワハラ6類型について該当する例、しない例を示した。

2)事業主、労働者の責務を法律上明確化
以下の事項に努めること
①事業主の責務
a 職場におけるパワーハラスメントを行ってはならないこと等これに起因する問題に対する労働者の関心と理解を深めること
b その雇用する労働者が他の労働者(取引先等の他の事業主が雇用する労働者や求職者等も含む)に対する言動に注意を払うよう研修を実施する等、必要な配慮を行うこと
c 事業主自身がハラスメント問題に関する関心と理解を深め、労働者(取引先等の他の事業主が雇用する労働者や求職者等も含む)に対する言動に必要な注意を払うこと
②労働者の責務
a ハラスメント問題に関する関心と理解を深め、他の労働者(取引先等の他の事業主が雇用する労働者や求職者等も含む)に対する言動に注意を払うこと
b 事業主の講ずる雇用管理上の措置に協力すること

他に義務として講ずべき措置について追加された事項として、
相談者、行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること
プライバシーに性的指向・性自認(LGBT)、病歴、不妊治療等の機微な個人情報が含まれた

3)その他
「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書」
業務による心理的負荷評価表における具体的出来事等にパワハラを追加(上司等から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワハラを受けた)、対人関係欄に同僚等から、暴行又は(ひどい)いじめ・嫌がらせを受けたを追加。
「強」となる具体例に「複数回にわたる言動の他、1 回でも治療を要する程度の暴行等」「会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合」が該当となった。

2.職場におけるセクハラ、マタハラに関するハラスメント防止対策を強化
今回の法改正で強化された防止対策
①事業主及び労働者の責務(パワハラと同様)
②事業主に相談等をした労働者に対する不利益禁止
③自社の労働者が他者の労働者にセクハラを行った場合の協力対応

最後に

緊急事態宣言の解除により、各社において、少しずつ、平常の業務に戻るために仕事のあり方を含めた業務の見直しを進めていると思います。
「働き方改革」を推進する良い機会と捉えるのであれば、時差出勤、リモートワーク、労働時間管理等、今回実施した結果をもとに良い点、改善が必要な点を明確にし、早急に対応することをお勧めいたします。
新型コロナウィルスとは、ワクチン、治療薬ができるまで、長期間にわたり共存せざるを得ません。当然、今年の 10 月頃には、全国的に流行する可能性もあり、再度、緊急事態宣言が発令されるということも考えられます。
何か不明な点や質問等ございましたら、弊社のコンサルタントにお申し付けください。
以上

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