吉田労務通信vol.38

新年度になり、国会等でも将来に夢を持てるような議論がなされることを期待していた
のですが、あいかわらずの迷走ぶりにがっかりしております。
野党は、行政官庁の内部資料公表等の問題追及にあけくれ、肝心の重要法案の審議に
加わっていないので、「働き方改革」も先延ばしの様相を呈してきました。
さて、今回は、厚生労働省が発表した今年度の「地方労働行政運営方針」を取り上げます。

平成 30 年度「地方労働行政運営方針」

今回の行政の主な重点施策は、次の通りです。
1.労働基準担当部署
1)「働き方改革」の推進などを通じた労働環境の整備・生産性の向上
・長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害防止の徹底
・労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべきガイドラインの周知徹底
・過労死等防止対策の推進
・労働時間法制の見直しへの対応(法改正案成立後、周知)
・法定労働条件の確保等(賃金不払い、若者の使い捨て等への厳正な対処等)
・特定の労働分野における労働条件確保対策の推進(外国人、自動車運転者、障害者、
介護労働者、派遣労働者、医療従事者、パートタイム労働者)
・「労災隠し」の排除に係る対策の一層の推進
*各監督署に事業場における法定労働条件の確保、改善を図っていくために今年 4 月
から「労働時間改善指導・援助チーム」を編成及び「労働時間相談・支援コーナー」
を設置
2)過労死等の防止対策等の労働者の健康確保対策等の推進
・労働者の健康確保対策の強化(過重労働による健康障害防止対策、産業医・産業保健
健康確保対策の推進)
・職場におけるメンタルヘルス対策の推進(取組、ストレスチェック制度の適切な実施、
「過労死等ゼロ緊急対策」を踏まえたメンタルヘルス対策、労働者の健康管理対策、
雇用形態に違いにかかわらない安全衛生の促進、副業・兼業、テレワークへの対応
3)就業構造の変化及び働き方の多様化に対応した対策の推進
・災害の件数が増加傾向にある又は減少が見られない業種等への対応(第 3 次産業、
陸上貨物運送業、転倒災害防止対策、腰痛の予防、熱中症の予防等
平成 30 年度「地方労働行政運営方針」 30 年度「地方労働行政運営方針」 年度「地方労働行政運営方針」
・非正規雇用労働者等の労働災害の防止(非正規労働者、外国人労働者、高年齢労働者
に対する労働災害防止対策)
2.雇用環境、均等担当部署
1)働き方改革と女性活躍推進の一体的な取組支援
・パートタイム労働法の確実な履行に向けた適切な指導等
・雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保に関する法制度の周知(法改正案成立後)
・非正規雇用労働者の均等・均衡待遇や正社員転換に取り組む事業主への支援
・長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進等(企業経営陣への働きかけ、年次有
給休暇の取得促進、ワークライフ・バランスの実現に向けた働き方・休み方の見直し
・女性の活躍推進等
・職業生活と家庭生活の両立支援対策の推進(改正育児・介護休業法の確実な履行確保
及び周知、男性の育児休業取得等の促進(2020 年までに 13%という目標)
・テレワークの普及促進及び就業環境整備
・副業・兼業の促進
2)安心して働くことができる環境整備の推進
・総合的ハラスメント対策の一体的実施(特別相談窓口の設置、関係法令の周知徹底)
・個別労働関係紛争の解決の促進
・労働条件の確保・改善対策(無期転換ルールの周知啓発、学生アルバイトの労働条件
確保に向け、大学等での出張相談、若者相談コーナーの設置)
・適正な労働条件の整備(多様な正社員の普及・拡大、雇用労働相談センターの設置

最後に

労働行政の運営方針が発表され、それぞれの行政機関が、事業場等に調査、指導を行って
おります。中でも、労働基準監督署は、今までとは異なった手法で調査を行っています。
いきなり、事業場に訪れ、労働時間や安全衛生に関する帳票を確認し、問題があれば
是正指導をしています。そこで、「こころの健康づくり計画」の策定、労働安全衛生マネー
ジメントシステムの活用が求められています。
特に、労働基準関係では、労働基準監督官の増員やOB等を活用した指導体制を推進
していることからも、今後、苦情や問い合わせをきっかけに頻繁に調査が行われると思い
ます。言い換えれば、適切な雇用管理をされている企業は、適正人員を確保でき、より安定
的な企業運営ができ、そうでない企業は、企業名等が公表され、人員確保も厳しくなり、
不安定な企業運営を強いられる、日経でも取り上げられていましたが、まさに、雇用管理
が、企業運営の重要なテーマになってきたと思います。
何か不明な点や質問等ございましたら、弊社のコンサルタントにお申し付けください。

以上

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