吉田労務通信vol.34

平成 29 年 6 月 2 日に公布された民法の改正に伴い、労働基準法における賃金債権等に
係る消滅時効についても、今後、検討されるという発表がありました。
また、高度プロフェッショナル制度についても連合との間で合意したことを受けて、
秋の臨時国会で審議されることになりました。
政権闘争にならなければ、来年以降、雇用に影響する法改正がいくつか成立すると思われ
ます。
今月は、まだ、対応を決めかねている企業が多い「有期労働契約者の無期転換」について、
再度、取り上げます。

労働契約法「無期転換について」

通常は、有期労働契約者が無期転換者になっても、企業には、悪影響はないです。
対応する上で、次の点には留意してください。
○無期転換について(平成 25 年 4 月 1 日施行)
同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で 5 年を超えて反復更新された場合は、
労働者の申込みにより、無期労働契約に転換します。
法施行日以降に開始する有期労働契約(契約期間更新、新規契約)が対象になります。
よって、早ければ、平成 30 年 4 月には対象となる労働者が出てきます。
対応する上でのポイント:
1)有期労働契約者に何歳まで働いてもらうのか? を決める
*昨今の少子化の影響で 15 歳から 64 歳の就労人口は毎年 80 万人以上減少している
中、新規労働者の確保が厳しくなっております。
定年を設けるか、設けないか?
設けるのであれば、定年者の扱いをどのようにするのか?
一定の要件を満たした者については、その後も雇用延長する 等
設けないのであれば、働きに見合った賃金制度の構築や休職等の規程を設けるか
等について検討が必要です。
加齢等に伴い、労働できる範囲や一定量の生産数を維持できないと想定される職種
については、賃金と仕事の関連付けをした体系を作成することで無用なトラブル等
の発生を防ぐことができます(同一労働同一賃金にも対応)
労働契約法「無期転換について」 労働契約法「無期転換について」
2)無期雇用契約に転換した場合の処遇等について
無期労働契約に転換しても身分の変更はありません。
*有期契約が無期契約に転換するだけで、社員にしなければならない、時間給から
月給にしなければならないということはありません。
パートタイマーの方であれば、無期労働契約者になってもパートタイマーです。
この無期転換についての対応も、「働き方改革」に取り組む上で重要な検討事項に
なります。単に、無期転換させたくないということで契約を 4 年までしか更新しない、
一定の年齢になったら、定年ということで労働契約を終了する等という対応であれば
当然に、外部にも知れ渡り、雇用環境の悪い会社というイメージに結びつき、結果、
新規入職者が激減するというような事態になるかもしれません。

障害者の法定雇用率の引き上げ

障害者の法定雇用率の引き上げ
平成 30 年 4 月 1 日から
現行 2.0% → 2.2% に引き上げ(更に平成 33 年 4 月 1 日までには、2.3%に)
対象となる事業主の範囲も拡大
現行 50 人以上 → 45.5 人以上

最後に

最近の雇用問題に関する記事を見ていると、今更ながら、“人は企業の宝”と昔から
言われた雇用管理の大切さを痛感しました。
労働行政は、適正な労働条件の確保、健康障害防止、長時間労働の是正等について
様々な取組を行い、雇用管理の大切さを世間に知らしめております。
そのような中、図らずも、長時間労働等の問題が発生し、企業名が公表等になった結果、
会社業績のみならず、新規入職の応募者等についても同業他社に差別化される時代に
なってきていると感じます。
また、最近の学生の就職への意識も、以前と比べ、大きく変化してきています。
弊社に相談される企業の中には、その変化に気づいていないで、採用活動に大変に御苦労
をされているケースも見られます。学生の意識調査等の結果を踏まえての採用戦略、戦術
の策定が必要です。
以上

\ 最新情報をチェック /