吉田労務通信vol.32
新年度になり、国会等でも将来に夢を持てるような議論がなされることを期待していた
のですが、庶民の生活とは別のテーマの議論ばかり繰り返されている気がします。
年金給付の繰り延べ給付や支給開始年齢の引き上げ、健康保険、介護保険の財政が厳しい
という断片的な話ではなく、この国の将来の社会保障についてどうするのかについても積極
的に議論し、あるべき姿を国民に示してほしいと思います。
さて、今回は、5 月 30 日から施行になる「改正個人情報保護法」を取り上げます。
「改正個人情報保護法について」
今回の改正は 10 年ぶりになされ、大きく変更になった点としては、
今までは、個人情報保護法の対象となる事業場規模は、5000 人超の個人情報を保有
する事業者でしたが、5000 人超の要件がなくなり、全ての個人情報を取り扱う事業
者に適用されることです。
また、今回の改正で、個人情報の定義が明確にされました。
特定の個人の身体的特徴をデータ化した情報等は、特定の個人を識別することが可能な
ため、それらを「個人識別符号」と定義し、それ単体でも個人を特定できる個人情報
として取り扱います。新たに個人情報に含まれるものとされた事項として、
1)指紋認証・顔認証データ
2)パスポート番号
3)免許証番号
4)端末IDや機器に関する情報
そして、要配慮個人情報は本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないよう
に、その取扱いに特に注意する配慮を要する情報として新設されました。
*個人情報のうち、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪歴・被害歴など本人に
対する不当な差別または偏見が生じる可能性のある個人情報
これらの情報は、原則として、本人の事前同意がない取得は禁止、オプトアウトによる
第三者提供は認められません
オプトアウト
個人に関するデータの第三者提供に関して、事後的に本人の求めに応じて第三者への
提供を停止すること
「改正個人情報保護法 「改正個人情報保護法について」
個人情報の不正な流通や取得を阻止することを目的に、個人情報を第三者に提供する際
には、提供する側と提供される側それぞれに対して規制が強化されました。
具体的には、原則、本人の同意を得る以外に、個人情報取扱業者は次の義務を負います。
提供する側:
提供年月日、提供先等に関する記録の作成及び当該記録の一定期間の保存
提供される側:
提供者の情報及び提供者が当該個人データを取得した経緯の確認、提供年月日、
提供者情報及びその取得経緯に関する記録の作成、および当該記録の一定期間の保存
罰則も新たにデータベース提供罪(1 年以下の懲役または50万円以下の罰金)が新設
されました。
最後に
今月、とてもびっくりしたことがありました。それは、昨年秋以降に厚生労働省が書類
送検を行った企業を一覧表にして公表したことです。
これは、企業名を公表するということで、一罰百戒の効果を期待している表れだと思い
ます。また、今後は、毎月更新するとしており、公表された企業は、1年間もしくは
是正された段階で削除するとしています。
やはり、雇用についての取組は、継続的に行うことが必要です。そのキーワードとして、
従業員の方が働きやすい職場環境、雇用環境を整備し、いかに、“選ばれる会社”に
なるかということだと思います。言い換えれば、他社との雇用に関しての差別化を
図るということになります。
何か不明な点や質問等ございましたら、弊社のコンサルタントにお申し付けください。
最後に、今年も恒例のセミナーを次のように予定しております(テーマは変更になる
場合もございます)。皆さまのご参加をお待ちしております。
申込書、案内等は、後日お送りさせていただきます。
6 月 法改正について
7 月 一億総活躍の実現について
9 月 働きやすい職場環境作りについて
10 月 多様な働き方について
以上

