吉田労務通信vol.27

早いもので、今年も残すところ1か月を切りました。労務問題を振り返ってみると、2 月
にガイアの夜明けで“かとく”の活動を取り上げ、世間に過重労働について注意喚起し、年
末近くには電通の過重労働に伴う自殺事件で終わった 1 年でなかったかと思います。
ただ、行政の過重労働に伴う動きを見ていると、どうも、この電通事件を機に、過重労働
についての対応が変化したように感じます。
それは、今までは書類送検されてはいましたが、起訴処分になるようなことはなかったと
思います。しかし、11 月には、昨年、書類送検された小売量販店やクレジット会社が略式
起訴され、罰金刑に処せられ、既に罰金 50 万円を支払っております。
行政も、今回の電通の事案(3 名の方が労災認定されている)では、その是正指導の姿勢
も問われることから、厳しい姿勢で臨むのではないかと思います。その結果、何らかの
通達や指針等で過重労働(長時間労働)についての基準が示されるのではないかと思います。
さて、今月は、11 月 6 日に実施された「過重労働解消相談ダイヤル」の結果を取り上げ
ます。

「過重労働解消相談ダイヤル」の結果

相談件数 合計 712 件
1)主な相談内容:
長時間労働、過重労働に関するもの 340 件
賃金不払残業に関するもの 305 件
休日・休暇に関するもの 53 件
2)相談してきた者
労 働 者 432 件
労働者の家族 199 件
そ の 他 81 件
の集中的な広報を行う
3)主な業種
製 造 業 103 件
保健衛生業 101 件
商 業 89 件

「過重労働解消相談ダイヤル」の結果
今回、相談ダイヤルに寄せられた相談者に対して、
1)労働基準法や関係法令の規定、解釈について説明
2)相談者の意向も踏まえて、管轄の労働基準監督署や関係機関を紹介
というような対応が行われました。
よって、寄せられた相談内容で違法性が高いような事案は、労働基準監督署が監督指導
を行うなど、必要な対応が行われます。
今後も、都道府県労働局や労働基準監督署、「労働条件相談ほっとライン」での相談受け
つけや「労働基準関係情報メール窓口」での情報受けつけを行います。
今一度、自社内の労働時間等の状況について、確認することをお勧めします。特に、36
協定(特別条項付き36協定)の限度時間を超えているような労働者がいるか、あるいは、
長時間労働に伴う医師との面談指導が規定通りに運用されているかにご注意を。

最後に

来年、法改正が予想される「労働基準法の一部改正」では、労働時間の効率化や年次有給
休暇の取得促進等に伴う事務手続きが煩雑になるので、いかに効率化を図るかが重要です。
年次有給休暇の取得率が低い会社では、法改正に伴う年 5 日の時季指定だけではなく、
行政が目標に掲げている平成 32 年には、有給休暇の取得 70%を意識した施策を検討する
必要があります。また、有給休暇の取得率がUPすることに伴う人件費の予算化や代替
要員の確保の要否といったことについても検討する必要があります。
育児介護休業法も待機児童等の問題対応から改正される可能性が高く、その場合には、
育児休業期間が延長されるので、復職に際しての受け入れ準備について検討することが
必要になります。
来年もいくつかの法が改正されると思われますので、適宜、この労務通信にて情報を発信
してまいります。何か、ご不明な点や質問等ございましたら、遠慮なく、弊社のコンサル
タントにお申し付けください。
それでは、皆さま、良い年をお迎えください。

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