吉田労務通信vol.22
2016.5.23
新年度になり、雇用の需給バランスが改善することを期待しておりましたが、行政から
発表された数値を見る限り、今後も人手不足が深刻化していくのではと危惧する今日この頃
です。今号では、東京都の有効求人倍率、東京労働局の行政運営方針を取り上げます。
東京都の一般職業紹介状況 都の一般職業紹介状況(平成 28 年 3 月分)
1.有効求人倍率1.95倍(前月より0.05ポイント上昇)
1)有効求人数は、380,863 人(前年同月比 8.9%増)で、71 か月連続で前年同月を
上回った。
2)有効求職者数は、187,167 人(前年同月比 6.1%減)で、67 か月連続で前年同月
を下回った。
有効求人倍率の高い職業を見てみると、
一般常用では、「保安の職業」11.86 倍、「接客・給仕の職業」8.46 倍、「医師、歯科医
師、薬剤師」8.18 倍、「生活衛生サービスの職業」7.06 倍
パート常用では、「保安の職業」13.79 倍、「医師、歯科医師、薬剤師」9.74 倍、「接客・
給仕の職業」8.71 倍、「介護サービスの職業」8.55 倍
2.新規求人の動向
前年同月と比べ、求人数が増えている産業は、
「宿泊業、飲食サービス業」31.8%増、「情報通信業」11.5%増、「製造業」7.4%増、
「サービス業」4.6%増、「医療、福祉」2.8%増。「卸売業、小売業」2.4%増
反面、求人が減少している産業は、
「生活関連サービス業、娯楽業」14.0%減、「運輸業、郵便業」13.7%減、「建設業」
3.0%減
東京オリンピックの開催に向けて、これから、本格的な関連施設の建設が始まり、
併せて、数多くの商業施設が開業することを考えると、今から人員の確保について
どうするのか、戦略、戦術を策定することが重要になります。
人員を確保する環境は、更に悪化していくことが予想されます。
「平成 28 年度東京労働局行政運営方針」 28 年度東京労働局行政運営方針」 年度東京労働局行政運営方針」
~ 誰もが安心・納得して働けるTOKYOへ ~
○最重要課題と取組
1.「全員参加の社会」の実現加速
1)女性の活躍推進・ひとり親に対する就業対策の強化
2)若者の活躍促進
3)生涯現役社会の実現に向けた雇用・就業環境の整備
4)障害者等の活躍推進
5)外国人材の活用
6)重層的なセーフティネットの構築
2.公正かつ適正で納得して働くことのできる環境整備
1)非正規雇用労働者の待遇改善と希望の持てる生活の実現
2)働き方改革の実現
3)人材力強化・人材確保対策の推進
4)労働者が安全で健康に働くことができる職場づくり
5)地方創生に向けた取組の推進
この中で、労働基準担当部署における主な重点対策の内容を見てみると
1)雇用環境改善を推進するため、今年度より、「雇用環境・均等部」を新設。
・年休の取得促進等の働き方改革や無期転換ルールの周知等
・労働条件の向上を図るための取組
・労働条件の向上に向けた総合的な施策
等を推進する。
2)長時間労働の抑制及び過重労働による健康障害の防止
過重労働が行われているおそれがある事業場に対して、労働時間管理、長時間
労働を行わせた場合における面接指導の実施等を含む健康管理に関する窓口指
導、監督指導等を徹底する。
3)法定労働条件の履行確保
・労働条件の書面による明示の徹底
・就業規則の作成・届出、記載内容の適正化
・労働者に対する周知
等を徹底する。
特に有期契約労働については、契約締結時の「労働契約を更新する場合の基準に
関する事項」の明示、雇止め予告等についての周知徹底を図る。
つぶやき
今、通常国会では、雇用に関する改正法案がほとんど審議されず、先送りになる
見通しです。このような中、労働行政は、長時間労働を始めとする労働時間管理や
労働条件の明示等の監督指導を徹底すると思われます。6 月に弊社で開催する勉強
会で長時間労働の抑制について確認していただければ幸いです。

