吉田労務通信vol.17

混乱を極めた通常国会が閉会しました。しかし、この通常国会では、企業に多大な負担を
強いる多くの法が成立しました。
挙げれば、社会保障と税の一体改革により、消費税の増税と社会保険の適用範囲の拡大、
年金支給開始年齢引き上げに伴う高年齢者雇用安定法の改正、パートタイマー等、有期労働
契約者の雇用の安定を意図した労働契約法の改正と直接的、間接的に企業活動の負担になる
ものです。
直近の法改正も含めれば、最低賃金の引き上げ(全国平均で時給 1000 円)、労働基準法
の改正により 60 時間超の時間外労働の割増率アップ、ワークライフバランスの行動指針の
目標にされた有給休暇取得率70%等、こちらも企業の人件費負担が重くなるものでした。
このような中で、安易に人件費を削減する施策、あるいは人件費を効率化する施策を行え
ば、コンプライアンス違反に直結することになります。
結果として、賃金未払い事件につながり、企業ブランドの失墜、多額な金銭の出費、労働者
の会社への不信感増大等を招くことになります。
今後は、労働時間管理、人事考課と賃金制度等、人件費管理の巧拙によって企業の業績が
大きく変動することになると思います。
言い換えれば、今年は、雇用管理の大転換点の年になったのではないかと思います。
そこで、今通常国会で成立した法改正の内容を見てみると、以下の様になります。

社会保険法の改正

1.社会保険法の改正
①社会保険の加入要件の緩和(平成 28 年 10 月 1 日施行)
・週の所定労働時間が 20 時間以上
・報酬は月額8.8万円以上
・勤務期間 1 年以上
・学生でない
・従業員数(被保険者数)501 人以上(暫定的)
②産前産後の休業期間の社会保険料の免除(施行日:平成 24 年 8 月から 2 年を超えない日)

労働契約法の改正

2.労働契約法の改正(平成 24 年 8 月 10 日公布)
①継続勤務期間が 5 年を超えるパートタイマーが申し出た場合は、契約期間の定めのない
契約に転化する(施行日:公布日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日)
②一度退職をし、再度契約した間の期間が 6 か月未満の場合は通算する
③パートタイマーとういうことで不利益な取り扱いをしてはいけない

高年齢者雇用安定法改正

3.高年齢者雇用安定法改正(平成 25 年 4 月 1 日施行)
60 歳定年を迎えた労働者が申し出た場合は、65 歳までの再雇用をしなければならない
このことで、企業は、今後の雇用管理について次のことを検討をする必要がある。
①65 歳までの再雇用者の処遇をどのようにすべきか
②パートタイマーの有期契約の有用性の是非
③社会保険の適用拡大に伴う労働時間管理をいかにすべきか
この他にも、今後の行政が目指す動向に目を向ければ、
①マイナンバー制度導入に伴う雇用管理(掛け持ちパートタイマーの管理)
②同一労働同一賃金による雇用管理
③若年層の就労管理
等々、様々な企業の負担増になる事項があります。
今回、このような点について、弊社主催の 10 月の勉強会で、
・法改正の内容及び対応
・法改正に伴う関連する作業は何か
・どのような点に留意すべきか
等について解説しますので、ご興味のある方は、是非、ご参加ください。
後日、ご案内申し上げます。

つぶやき

今年の通常国会を振り返ってみると国民や企業に負担を強いる法改正が、多かったと思う
のは私だけでしょうか?
消費税率のアップ、社会保険の適用範囲の拡大、65 歳までの再雇用義務化等、今後も配
偶者控除の廃止や電気料金の引き上げ等、収入が増えない中で負担が多くなることばかりで
将来が不安です。
将来が不安と言えば、老後のことを考えると年金だけをたよりにする生活はもうできない
なあ、夢だなあと思いました。
年金の支給開始年齢も 65 歳から更に引き上げる方向が見えますし、年金額も減額されそ
うな気もします。反面、所得税、住民税、消費税、社会保険料や公共料金は引き上げられる
と思うので手元に残るお金はわずかになってしまいます。これからは年齢に関係なく、生涯
働き続けなければならないなあと感じる今日この頃です。

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