吉田労務通信vol.15

新年明けましておめでとうございます。どうか本年もよろしくお願い申し上げます。
昨年は、3.11の大震災を機に社会情勢、企業活動を取り巻く環境が激変しましたが、日本中での
復興に向けた活動によって、将来に向けての光明が見えたような気がしました。
さて、雇用を取り巻く行政の動向を見てみると、今年は労働施策についても、社会保障についても
過去に例を見ない大改正(言い換えれば雇用についての大転換期になる改正)が実施されそうです。
企業の人件費関連の負担が重くなる方向の中で、今後は、いかに効率的かつ効果的な人件費管理が
できるかどうかで企業の業績に大きく影響するような時代に入ると思われます。
そこで、今回、皆様が仕事を進めていく上での一助になればと思い、今年検討されている法改正の
主な事項について取り上げたいと思います。

社会保障と税の一体改革関連

○パートタイマーの社会保険加入要件の緩和
非正規社員のセーフティーネット強化の観点から、
週の所定労働時間が20時間以上(現行は通常の労働者の概ね3/4以上)の者も対象とする
検討事項
・具体的な範囲や実施時期
・短時間労働者を多く雇用する企業への影響
・中小企業についての助成内容
等を検討し、今年の通常国会で審議予定
また、第3号被保険者制度の見直しや税法での配偶者控除の見直しも引き続き行われる。

労働政策審議会関連

昨年暮れに、労働政策審議会の労働条件分科会から「有期労働契約の在り方について」次のような建議
がなされ、今年の通常国会で審議される予定です。
・有期労働契約の長期にわたる反復、継続への対応
期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みや一定期間をおいて有期労働契約が再度締結された
場合のクーリング期間の導入
・「雇止め法理」の法制化
雇止め法理について、紛争を防止するため、認識しやすいルールとして、その内容を法制化し、
明確にする
・期間の定めを理由とする不合理な処遇の解消
社会保障と税の一体改革関連
労働政策審議会関連
労働条件について、期間の定めを理由とし、不合理なものとしない
○65歳までの再雇用義務化
年金の支給開始年齢65歳に伴い、原則65歳まで、働きたい人全員の雇用を企業に義務付ける
建議がなされ、今年の通常国会で審議予定です(2013年実施予定)。
この法案が成立すると、現在60~65歳の雇用について労使協定等で定めている再雇用対象者を
限定できる規定が撤廃される。

労働安全衛生法関連

○メンタルヘルス対策の充実・強化
メンタルヘルス対策の充実・強化を図るため、次のような内容の法案が今年の通常国会で継続審議
される。内容は次の通り。
定期健康診断時等に医師又は保健師による労働者の精神的健康の状況を把握するための検査を行う
ことが事業者に義務付けられる。
関連して、
・検査結果は、検査を行った医師又は保健師から労働者に通知されるため、労働者の同意がなければ
検査結果は事業者には提供されない
・検査の結果を通知された労働者が面接指導を申し出た時は、医師による面接指導を実施することを
事業者に義務付けられ、このことを理由に不利益な取り扱いを行ってはならない。
・事業者は、面接指導の結果、医師の意見を聴き、必要な場合は、作業の転換、労働時間の短縮その
他の適切な就業上の措置を講じなければならない。
これらが成立した場合には、
厚生年金、健康保険等の社会保険法、労働基準法、労働契約法、パートタイム労働法、労働安全
衛生法、高年齢者雇用安定法等、多くの法律が同一年に改正されます。
そこで、国会での審議状況に応じて、一度、皆様方の会社にどのような影響(金銭的なもの、
規定等整備で改定すべきもの、業務の運用を改定すべきもの等)を検討することをお勧めします。
そのことが、皆様方の会社にとって、よりベターな対応方法の策定や制度変更に結び付くと思い
ます。
今年も私どもは、より精進し、皆様方のベストパートナーとして、より新鮮な情報や皆様方よりの
相談に迅速に応えてまいる所存です。
どうか今年もご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。

株式会社 吉田労務コンサルティング
代表取締役 吉田 孝司

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